どのような研究室にしたいか

みなさんが毎日進んで来たくなる、研究活動に集中できる研究室にするのが目標です。いくつか佐々木の考えを書いてみます。

  • 佐々木の研究者としての目標は、個人的に『良い』と思える研究成果(必ずしもトップ国際会議に通るものとは限りません)を継続的に出していくことです。しかし自分でできることが限られていることはこれまでの経験から身に染みて分かっています。そのためぜひみなさんの力を借りたいと思っています。
    • まず我々の研究分野ではトップ国際会議1 に通るような研究成果というのはそう簡単には出ません。アメリカのトップ大学の大学院生2 でさえ、最初の大きな成果が出るのは大抵三、四年目以降です。
    • したがってみなさん全員がそのレベルの成果を出すことは難しいです(特に学部や修士では)。ごめんなさい。佐々木の力不足に起因する面も多々あるので頑張って実力をつけていきたいです。
    • そうは言っても良い研究・大きな成果を目指す必要はあります。その過程で少しずつ力をつけて成果を出していき、みなさん全員が研究活動を通して成長できたな、と実感してもらうことが研究室としての大きな目標になります3
  • 研究成果は基本的に論文という形で発表します。論文の共著者(つまり共同研究者)は大小あれど全員がその論文の研究内容に貢献している必要がありますが、我々のグループで執筆する全ての論文において佐々木はみなさん一人一人に負けないくらい大きな貢献をしたいと思っています。

研究内容

キーワード:計算機アーキテクチャ、コンピュータセキュリティ、コンピュータシステム

佐々木が共同研究者/指導教員として力になれるのはコンピュータシステムの基盤分野のうち主に計算機アーキテクチャ、オペレーティングシステム、コンパイラなどの分野になります(前者ほど得意)。 基本的にはコンピュータシステムを良くする(セキュリティ、信頼性、電力効率の向上を目的とする)研究や、コンピュータシステムの理解を深める研究に取り組むことになると思います。 汎用の計算機アーキテクチャ/コンピュータシステムは元より、セキュリティや信頼性がこれまで以上に重要となる IoT システムなど次世代のコンピュータシステムに貢献する研究にも興味があります。 流行りを追いかけるのではなく4、普遍的で(息の長い、長く読まれる)オリジナリティの高い(なかなか思いつかない、意外性のある)研究に取り組みたいと思っています5

活動方針

  • 研究を進めるためには研究内容について仲間と議論することがとても重要です。例えば打ち合わせ中に良いアイデアが浮かぶこともよくあります。なるべくいつでも議論ができて、打ち合わせ中も気兼ねなく言いたいことを言ってもらえるような教員になりたいと思います。
    • 佐々木の数ある仕事(雑用含む)の中で研究が最重要です。そのためなるべく数多く・長くみなさんと研究について議論したいと思っています。困ったことがあればすぐに、オフライン・オンライン問わずいつでもつかまえてください。
  • ところで研究は基本的に思うようにいきません。そのためつらいと感じることも多いかもしれません。そのつらさを減らすべく、以下のようことを心がけたいと思います。
    • 小さな成功体験を積み重ねてもらう。成功体験は自信、ひいてはモチベーションにつながっていきます。想定される伸びを見せれば越えられるだろうな、という適切なバーを設定していくつもりです。
    • 魅力的な研究テーマを一緒に考える。自分で考えたテーマには思い入れができ、モチベーションにつながります。なるべく魅力的な(=分野への貢献度が高い)テーマになるよう努力します。
    • 自分でリードするプロジェクト(第一著者として論文を書くという意味だと思ってください)は一つでも、その他に複数のプロジェクトに関わってもらう。他の学生と一緒に研究することの利点はとても大きいです。スキルセットがなるべくかぶらないようなチーム編成を目指します。
    • 難易度・インパクトの異なる複数のテーマを担当してもらう。主に博士過程の学生向けですが、確実に小さな成功を収めつつ(上記の成功体験にあたります)、リスクを取って大きな成功も狙うことができる、という利点があります。前者に関しては、学部・修士過程の学生を指導する形でも良いかもしれません。

研究室生活

毎日進んで来たくなる研究室、と書きましたが、特にコアタイムなどを設けるつもりはありません。 ある程度研究室の仲間と物理的に時間を共有した方が良い(気軽に相談や雑談ができる、など)とは思いますが、自分にあった研究生活スタイルを確立してもらえれば良いな、と思います。また研究よりなにより、健康な身体と心が一番大事です。若いときは無理ができる人もいるものですが(そしてそれを止めるつもりもあまりありませんが)、休む必要があるときは大いに休んでください。

  • 連絡や情報共有は Slack などを用いてオンラインで行ないます。
  • ある程度の頻度で一対一(プロジェクトによっては佐々木と数人で)の打ち合わせをします。オフラインを想定していますが、場合によってはオンラインでも構いません。
    • 予定通りに進捗している場合などは短時間になります。
    • 締切の前などは回数が増えると思ってください。
  • 全員が集まる打ち合わせは今のところ考えていません。
    • 担当者が最新の論文を紹介するリーディンググループをやりたいと思っていますが、頻度や形態については考え中です(学生数にもよります)。
  • 一方、発表練習や招待講演などはなるべく全員の参加をお願いします。
    • 発表練習は多くの人に聞いてもらって意見をもらうことが重要です。聞く側も得るものがあるはずです。みんなで協力し合いましょう。
    • 招待講演などは優れた発表を直接体験することができるうえ、質問などを通して発表者と交流できるチャンスです。有効に活用してください。
  • 先行研究のサーベイなどで読んだ論文はまとめてもらってみんなで共有しようと思っています(フォーマットは こちら のようなものを想定しています)。佐々木も参加します。

最終更新日:2024-04-10


  1. トップ国際会議やトップ大学に関しては CSRankings をご覧ください。 

  2. 日本で一般的な修士 2 年、博士 3 年、という仕組みではなく、大学院で 5-7 年かけて博士号を取得する、という感じです。学生の多く(特に海外からの学生)は学部を卒業したあと数年間社会人を経験してから入学するようです。 

  3. 結果(だけ)でなく過程を重んじる、というのは個人的に大事にしている考え方です。 

  4. 瞬発力(なるべく早く・速く論文を書く)と体力(次々と論文を書き続ける)が必要になります。佐々木には向いていません(というか無理です)。 

  5. 理想は、自分たちがやらなければ世に出ない(かつ価値がある)研究です。